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さやか

わたしの近所に住む子がいた。

名前はさやか。

登下校はほとんどさやかと一緒だった。

さやかの親は共働きで下に小さな弟がいた。

自分の家の鍵を持っているのが羨ましかった。

帰って弟の面倒を見なきゃ!

洗濯物畳まなきゃ!とか言っていた。

朝迎えに行くとお母さんはもう居なくて

パンにジャムを塗って朝ごはんを食べていた。

ちょっと待ってね〜なんて言って。

たまに弟のオムツのにおいがしたり

家の独特なにおいがした。

 

たまにうちで一緒にごはんを食べた。

前日の残りのカレーを

母が煮込みカレーにしてくれた。

わたしはこの煮込みカレーが大好きだった。

兄と一緒にゲームをしたり

近所の公園で遊んだりとても楽しかった。