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バレンタイン2

バレンタインについてもう1つある。

 

新卒で入社した会社のバレンタインデーの話

わたしが入った部署は

10人ちょっと。男性は3人だった。

 

1人は上司の安田さんと付き合っていた。

まだ付き合っていたか別れたか忘れたけど

もう1人は40代くらいのおとなしい人

もう1人は陽気な60代のおじさんだった。

 

バレンタインどうすればいいのか迷った。

いわゆる女の職場で安田さん以外は

パートのおばさん達だった。

 

とりあえず無難にモロゾフあたりで

たくさん数が入ってあるチョコを

何個か持って行った気がする。

お昼休憩時にご自由にどうぞスタイルだ。

 

その日安田さんは休みだった。

わたしが帰る頃には

チョコは全部食べられていた。

男性3人が食べるのも見たしいいかなと思った

 

 

次の日安田さんが来た。

今思えば個人的にあげたら良かったなと

ほんとに今思った。まあいいか

いや、そんな距離感ではなかったか

安田さんはリンツの100個くらい

入ってあるチョコレートを持ってきてくれた。

安田さんはブランド物が好きで

派手で明るくて可愛い人だった。

 

 

当時セリーヌのラゲージが流行っていた。

安田さんはクレジットカードを

持っていないので(使い過ぎるため)

商品を見て

これにします!今からお金おろしてきます!

と言って店員さんを待たせていたらしい

 

 

北海道物産展があれば

ロイズのチョコレートを差し入れに

買ってきてくれた。

 

親からお小遣いもらったから大丈夫!

なんて言っていたっけ

 

別になにが正解ではないけれど

安田さんに勝てるわけもなく

(勝とうとも思っていなかったが)

バレンタインってめんどくさいなって

気持ちが強いわたしにとっては

安田さんの持ってきたリンツが衝撃的だった